建設業許可とは?建設業許可の基礎|いつ・だれが許可を取るべきか【総論】

建設業を始める、あるいは事業を拡大するうえで、必ず理解しておくべき制度が「建設業許可」です。建設業そのものは許可がなくても開業できます。しかし建設業許可は単なる免許ではなく、事業の信頼性や受注できる案件の幅を大きく左右する重要な制度です。
この記事では、建設業許可の基本的な考え方から
「どのような場合に許可が必要となるのか。」
「建設業許可にはどのような種類があるのか。」
まで、全体像をわかりやすく整理します。
今後、建設業許可に関する詳細記事を追加していきますので最初にこちらの記事を読んでいただければ幸いです。
1. 建設業許可とは?
建設業許可とは、建設工事を適正に請負・施工するために、国(大臣)または都道府県(知事)から受ける営業許可です。
建設業は日本国の社会インフラを支える重要な産業です。また日本の建設業は世界的に圧倒的な技術と安全性を誇ります。建設業者には工事の品質・安全性・管理責任が求められます。よって一定の基準を満たしている建設業者のみが、許可を受けて営業できる仕組みになっており、それが建設業許可といわれるものです。
建設業許可は一種の「信用力の証明書」のような役割も持っており、事業者の施工能力や管理体制が第三者により確認され担保されていることを示します。
2. 建設業許可が必要なケース(いつ・誰が取るべきか)
建設業許可が必要となる基準は非常に明確です。
● 1件の工事請負代金が500万円以上(消費税含む)になる場合
〇専門工事(電気・塗装・防水・内装・とび・左官など)では1件の工事請負代金が500万円以上(消費税含む)で許可が必要。
〇建築一式工事では1件の工事請負代金1500万円以上(消費税含む)または延べ面積150㎡以上の木造住宅いずれかに該当で許可が必要。
※建築一式工事とは:総合工事のこと。建物の新築・増築・改築など「総合的な企画指導調整のもとで複数の専門工事をまとめて行う工事」を指す。具体的には・新築一戸建て住宅、マンションやビルの建築など。

● 誰に建設業許可が必要か?➡個人・法人を問わず対象となる
建設業は大きく分けて法人(株式会社・合同会社など)と個人事業主(一人親方など)の2種類の形態があります。いずれの事業形態でも、基準を満たす工事(500万円以上)を請負う場合は許可が必要です。
※注意!500万円は年間売上ではなく、“1件の契約額”で判断!
「売上が小さいから許可は不要」と思われがちですが、判断基準は個々の契約の金額としての500万円です。小規模事業者でも1件だけ500万円を超える工事を請負う場合は、許可が求められます。
3. 許可を取得するメリット
● 受注できる工事の幅が広がる
許可を持つことで、受注可能な案件の幅が大きく広がります。また原料価格の高騰やインフレなど工事金額の高騰が今後も予想されるため、現在500万以下の工事が5年・10年後には500万円を超える可能性が非常に高いと考えられます。
● 信用力の向上
建設業許可は、
「経営管理体制が整っている企業である」
と行政が認定する制度です。そのため、取引先からの評価が高まり、元請企業・協力会社からも選ばれやすくなります。またコンプライアンス意識の高まりから金額を問わず建設業許可を要件として参入を認められる工事や元請企業が存在します。
● 融資・補助金・助成金に有利
銀行や日本政策金融公庫は、許可の有無を信用評価として重視しています。
事業資金の融資や設備投資の際にもプラス評価となり、事業拡大が進めやすくなります。
● 公共工事への参加が可能に
将来、自治体や公共団体が発注する工事に参入したい場合、建設業許可は必須です。建設業許可に加えて①経営状況分析②経営事項審査といった審査が必要となります。
4. 建設業許可の種類
建設業許可は大きく3種類に分かれます。
(1)大臣許可・知事許可
| 許可区分 | 内容 |
| 国土交通大臣 | 2つ以上の都道府県に営業所がある場合 |
| 都道府県知事 | 1つの都道府県内で営業する場合 |
中小企業のほとんどが知事許可です。
(2)一般建設業・特定建設業
| 区分 | 内容 |
| 一般建設業 | 通常の建設業者。下請に4,000万円以上を発注しない |
| 特定建設業 | 大規模工事を総括し、4,000万円以上の下請発注が可能 |
地域の工務店や個人事業主は、ほぼ一般建設業です。
(3)29業種の工事区分
建設業許可は29の専門工事に分類されます。
例:建築一式、電気工事、内装仕上、塗装、防水、とび・土工、管工事 など
申請は1業種から可能で、複数業種の取得もできます。
●一式工事(2業種)
1 土木工事業(総合) 道路・橋・河川・造成など土木の総合工事
2 建築工事業(総合) 建物の新築・増改築など建築の総合工事
●専門工事(27業種)
3 大工工事業 ➡ 木造建築の骨組み・床・壁など木工事
4 左官工事業 ➡ モルタル・漆喰などの壁や床の仕上げ
5 とび・土工・コンクリート工事業 ➡ 足場組立、基礎工事、地盤改良、コンクリート工事
6 石工事業 ➡ 石材を使った基礎・外構・石積み工事
7 屋根工事業 ➡ 瓦・金属・スレートなどの屋根ふき工事
8 電気工事業 ➡ 電気設備・配線・照明・受変電設備
9 管工事業 ➡ 給排水・空調・冷暖房などの配管工事
10 タイル・れんが・ブロック工事業 ➡ 外壁タイル・レンガ積み・ブロック工事
11 鋼構造物工事業 ➡ 鉄骨・鋼材による架台・鉄骨建方など
12 鉄筋工事業 ➡ 鉄筋の加工・組立・配筋工事
13 舗装工事業 ➡ アスファルト・コンクリート舗装
14 しゅんせつ工事業 ➡ 河川・湖沼などの掘削・浚渫
15 板金工事業 ➡ 金属板の加工・取り付け(屋根板金・樋など)
16 ガラス工事業 ➡ 各種ガラスの取り付け・交換
17 塗装工事業 ➡ 建物や構造物の塗装、防錆・防食塗装
18 防水工事業 ➡ シーリング、防水シート、防水塗膜工事
19 内装仕上工事業 ➡ クロス貼り、床貼り、内装仕上げ全般
20 機械器具設置工事業 ➡ プラント設備・産業用機械の据付
21 熱絶縁工事業 ➡ 断熱材施工、保温・保冷工事
22 電気通信工事業 ➡ 光ファイバー、通信設備、LAN設備工事
23 造園工事業 ➡ 庭園造成、植栽、外構造園
24 さく井工事業 ➡ 井戸掘削、ボーリング工事
25 建具工事業 ➡ 木製・アルミ建具の取り付け
26 水道施設工事業 ➡ 道路下の水道管、水道施設の建設
27 消防施設工事業 ➡ スプリンクラー・警報設備など消防設備工事
28 清掃施設工事業 ➡ ゴミ処理施設・焼却施設など建設工事
29 解体工事業 ➡ 建物・構造物の解体工事全般

以上が建設業許可についての説明となります。実は我が家の家業は父親の代まで3代続いた土木・建設業でした。バブル崩壊後に廃業いたしましたが、10代の頃から工事現場で父親を手伝って働いていた経験があります。いまでは考えられないことですが、中学生・高校生の時代から大型の重機(コマツのショベルカー)を操縦していた記憶があります。令和の時代になりましたが、建設業は今後も仕事が途切れない業界であると感じます。人手不足や後継者不足といった新しい問題がありますが、AIなどが発展しても機械に奪われない仕事として海外でも注目されています。私たちは建設業許可取得を通じて日本の未来に貢献にいたします。
建設業許可は行政書士道才事務所までご連絡をお待ちしております。
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